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第2章 食糧問題を引き起こす原因
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2−2.食糧の生産・消費・分配のシステムに影響を与える要因 |
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| 食糧の生産・消費・分配のシステムに影響を与える要因には、【図5】のように、さまざまなものがあります。 まず、穀物生産量に影響を与える要因からみてみましょう。 ページ1−3「近年の食糧不足の事例」を見ると、台風や洪水、干ばつといった、気候・天候の変動が、田畑を収穫不能にし、食糧不足を招いていることがわかります。また、戦争や内戦も、食糧不足の原因となっていることがわかります。 ページ2−1で、「穀物生産量=単位面積あたりの収穫量×作付面積」と単純化して説明しました。単位面積あたりの収穫量は、苗の種類、耕地の肥沃度、肥料・灌漑その他の農業技術、気候などにより変わってきます。肥料やその他の農業技術を用いて、単位面積あたりの収穫量を高めることを、「集約化」といいます。しかし、肥料の量を増やせば単位面積あたりの収穫量が無限に増えるということはなく、集約化には限界があります。 作付面積の推移は、世界全体でみると、横ばいの状況にあります。20世紀半ばで耕地面積の拡大は止まり、工業化、土壌の劣化などにより、耕地が減少しているところもあります。国によっては、過剰生産を回避するため、減反政策をとっている国もあります。 また、水不足も穀物生産に影響を与えます。都市や工業地による水の大量消費、森林の伐採による帯水層の減少などにより、水不足が社会問題となっている国もあります。 |
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| 【図5】食糧の生産・消費・分配のシステムに影響を与える要因 | |
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| 次に、穀物消費量に影響を与える要因をみてみましょう。 人口の増加は、穀物消費量に影響を与える主要因です。世界総人口は、現在、約68億人といわれています。集約化には限界があり、作付面積も横ばいの状況にある中で、世界総人口は、増加を続けています。このまま世界総人口が増加を続けたら、将来、いつの日か、穀物生産量が穀物消費量の増加に追いついていくことができなくなり、世界穀物総量が世界総人口の穀物消費量を下回り、穀物価格は上昇し、食糧不足の苦しみが世界中に広がるでしょう。僕たちの子供たちのために、そんな事態は絶対に回避しなければなりません。 ページ2−1で説明しましたが、穀物は、牛や豚の飼料や、バイオ燃料の原料としても使用されています。人は、一般的に、経済水準が上がると、肉を多く食べるようになります。(牛肉1kgの生産には年間11kgの飼料、トリ肉1kgの生産には年間4kgの飼料が必要だといわれています。)各国の経済水準が上がり、食生活が豊かになると、より多くの肉が必要となり、より多くの穀物が飼料として使われます。人口13億人の中国の経済成長は、世界の穀物消費に大きな影響を与えました。 また、2005年に米国のブッシュ大統領がバイオエタノールの増産を政策化し、より多くのトウモロコシが、原料として使われることになりました。 |
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| 穀物の分配に影響を与えるものは何でしょうか。 開発途上国の貧困層の人々が、食糧不足に苦しんでいます。直接の原因は、貧困・低所得であり、それは、国の経済・産業の未成熟、社会インフラの未整備、不十分な教育などを背景としています。インドや中国など、めざましい経済成長をとげている国でも、社会保障や税制等の所得再分配制度の不十分等により、貧富の格差は大きく、貧困層は経済成長からとり残されています。 穀物価格も、穀物の分配に大きな影響を与えます。2008年には、米国のサブプライム・ローン問題に端を発する金融危機の結果、投機マネーが穀物市場に流れ、穀物価格を高騰させました。多くの人々が食糧を買えなくなり、世界各地で暴動が発生しました。 |
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| (参考文献:レスター・ブラウン「食糧破局・回避のための緊急シナリオ」) | |
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